虫の音を聞く夜

九月になりました。

昼間はまだ暑くても、夜になると草むらから虫の声が聞こえてきます。

「虫」は秋の季語。

日本では昔から、鈴虫や松虫などの声を「鳴き声」ではなく「音」として楽しんできました。

平安時代には、秋の虫を籠に入れ、その声を楽しむ文化もあったといいます。

千年も前の人たちも、秋の夜に耳を澄ませ、「いい音だな」と感じていた。

そう思うと、今夜聞こえてくる虫の声が少し特別に思えてきます。

今の暮らしには、たくさんの音があります。

テレビ、スマートフォン、車の音。

だからこそ、ときにはそれらを少し止めて、自然の音を聞いてみるのもいいものです。

今夜は窓辺や帰り道で、一分だけ耳を澄ませてみませんか。

虫の音が聞こえたら、それは今年の秋から届いた小さな便りです。