旬をいただくという幸せ

梨やぶどうがおいしい季節です。

みずみずしい梨をひと口食べたときの、しゃりっとした歯ざわり。

ぶどうを口に含んだときに広がる、やさしい甘さ。

「梨」も「葡萄」も秋の季語です。

今では一年を通してさまざまな食べものを手に入れられますが、昔の人にとって旬の味は、その季節にしか出会えないものでした。

だから、「今年も食べられた」ということ自体が喜びだったのでしょう。

旬という言葉には、「今がいちばん」という意味があります。

それは食べものだけではないのかもしれません。

今日の空も、今日の風も、今日会う人も、まったく同じものにはもう出会えません。

そう考えると、何気ない一日も少し大切に思えてきます。

今日は食卓に、ひとつだけ旬のものを加えてみませんか。

そして最初のひと口を、少しゆっくり味わってみる。

「今年もこの季節が来たな」

そう感じることも、日本の四季が届けてくれる小さな幸せです。