秋の暮れに、一日を置いて帰る

夕暮れがずいぶん早くなりました。

仕事や用事を終える頃には、もう西の空が赤く染まり始めていることもあります。

「秋の暮」は秋の季語です。

秋の夕暮れには、春や夏とは違った、どこか静かな美しさがあります。

「秋の日は釣瓶落とし」という言葉があるように、日が傾き始めると、あっという間に暗くなっていきます。

昔の人は、電灯のない暮らしの中で、この日の短さを今以上に身近に感じていたことでしょう。

一日の終わりには、不思議な力があります。

うまくいかなかったことも、気になったことも、「今日はここまで」といったん置くことができます。

毎日の心配事を、全部明日まで持っていかなくてもいいのかもしれません。

今日は夕暮れを見かけたら、一度だけ足を止めてみませんか。

夕日の色を眺めながら、

「今日も一日お疲れさま」

と、自分に声をかけてみる。

沈む夕日は、一日を終えることの大切さを静かに教えてくれています。